気になったので聞いてしまった。
「獅子島さんは・・・・・・・どうして、今の大学に入ったんですか?」
元ヤンしてるのも謎だけど、普通の人でも入るのが大変な学校をどうして選んだのだろう?
「他の大学じゃダメだったんですか?」
「都合がいいからだ。」
「都合?」
「上にいる方が、便利だからだ。この国で、力と権力が使えるところと言えばそこだからな。」
「え!?とても壮大(そうだい)な理由!?」
「ふっ!そんなわけあるか。強い奴が正しいという世の中では、一番合法的だからだ。警官の特権は拳銃を持てるだけじゃない。元警官と言うだけでも、有利だ。法律をかじっていれば、政界への道もあるからな。」
「あの・・・・・もしかして僕、獅子島さんの野望を聞かされました?」
「俺は口の軽い奴は好かんぞ、凛道・・・?」
「勝手にしゃべっておいて、口止めしますか!?」
〔★誘導してしまったのは凛だ★〕
「有名大学とは便利でな。気に入られれば、教授のお供で政治関係者と接触できる。最初に会うのは秘書だが、それが新人、中堅、ベテランと上昇していく。」
「勉強してくださいよ!?」
「してるぞ。人脈作りは大事な社会勉強だ。社会には表と裏がある。人脈を作っておいて損はない。」
「そうですけど!!」
(少し見直したと思ったのに~!)
「凛道、ダッシュボードを開けてみろ。」
「へ?」
運転しながら言う獅子島さん。
「中身をくれてやる。」
「はあ・・・?」
(な、なにをくれるって言うの・・・・?)
獅子島さんの言葉に、警戒しながら手を伸ばして開ける。
出てきたのは・・・・・・
「なんですか、このプリント?」
「さっき、お前が出来なかった問題をまとめたものだ。」
「え!?いつの間に?」
「間違えた場所はもちろんだが、似た問題を何度もすれば、出来るようになるからな。早めに解いて持って来い。採点してやる。」
「獅子島さん・・・!」
思いがけないサービス。
「わざわざ、作ってくれたんですか?」
「ついでだ。瑞希も可愛い凛の勉強を見てくれと、うるさかったからな。」
「ありがとうございます、獅子島さん!」
「フン・・・・全部できるようになってから言え。」
素直に嬉しくてお礼を言えば、みけんにしわを寄せながら言う眼鏡の先輩。
いつも通りの無表情だったけど、声がこわくなかった。
(文句言いながらも、私のために・・・・)
それで、今日一日分の嫌な思いがなくなった。
嬉しくなる。


