彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




気になったので聞いてしまった。





「獅子島さんは・・・・・・・どうして、今の大学に入ったんですか?」





元ヤンしてるのも謎だけど、普通の人でも入るのが大変な学校をどうして選んだのだろう?




「他の大学じゃダメだったんですか?」

「都合がいいからだ。」

「都合?」

「上にいる方が、便利だからだ。この国で、力と権力が使えるところと言えばそこだからな。」

「え!?とても壮大(そうだい)な理由!?」

「ふっ!そんなわけあるか。強い奴が正しいという世の中では、一番合法的だからだ。警官の特権は拳銃を持てるだけじゃない。元警官と言うだけでも、有利だ。法律をかじっていれば、政界への道もあるからな。」

「あの・・・・・もしかして僕、獅子島さんの野望を聞かされました?」

「俺は口の軽い奴は好かんぞ、凛道・・・?」

「勝手にしゃべっておいて、口止めしますか!?」



〔★誘導してしまったのは凛だ★〕



「有名大学とは便利でな。気に入られれば、教授のお供で政治関係者と接触できる。最初に会うのは秘書だが、それが新人、中堅、ベテランと上昇していく。」

「勉強してくださいよ!?」

「してるぞ。人脈作りは大事な社会勉強だ。社会には表と裏がある。人脈を作っておいて損はない。」

「そうですけど!!」



(少し見直したと思ったのに~!)



「凛道、ダッシュボードを開けてみろ。」

「へ?」



運転しながら言う獅子島さん。



「中身をくれてやる。」

「はあ・・・?」



(な、なにをくれるって言うの・・・・?)



獅子島さんの言葉に、警戒しながら手を伸ばして開ける。

出てきたのは・・・・・・



「なんですか、このプリント?」

「さっき、お前が出来なかった問題をまとめたものだ。」

「え!?いつの間に?」

「間違えた場所はもちろんだが、似た問題を何度もすれば、出来るようになるからな。早めに解いて持って来い。採点してやる。」

「獅子島さん・・・!」



思いがけないサービス。




「わざわざ、作ってくれたんですか?」

「ついでだ。瑞希も可愛い凛の勉強を見てくれと、うるさかったからな。」

「ありがとうございます、獅子島さん!」

「フン・・・・全部できるようになってから言え。」




素直に嬉しくてお礼を言えば、みけんにしわを寄せながら言う眼鏡の先輩。

いつも通りの無表情だったけど、声がこわくなかった。




(文句言いながらも、私のために・・・・)




それで、今日一日分の嫌な思いがなくなった。

嬉しくなる。