彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)



「そ、それ!瑞希お兄ちゃん達は知ってるんですか?」

「ああ。怒ったり、笑ったりとうるさかったが、祝いはしてくれたな。大学合格と警官辞退パーティーを。」

「あまり聞かないお題ですね!?」

「だから、龍星軍の者以外は、俺が警官を辞退したことは知らん。バラさんが知っているのはしかたないが・・・・」

「ご存じなんですか!?」

「軽擦関係者だからな。お前も円城寺達には言うなよ、凛道?」

「え!?そ、そうおっしゃるなら、言いませんが・・・・」



内緒にしてるなら、言わないけど。



「それなら、なぜ僕に言ったんですか・・・?」

「お前には関係ない。」




青になった信号を見ながら、獅子島さんはそっけなく言う。



「か、関係ないって・・・・」

「俺がどう考えているかなど、お前には関係ないだろう?」

「だからって・・・」




(関係ないのに教えたの?)




ややこしい気持ちで彼を見れば、目だけで私を見た後で言った。



「まぁ・・・しいていうなら、面白そうだから言っただけだ。」

「面白そう!?」

「そういうわけだから、大学では俺の教え子を演じろ。素直で可愛くしろと言いたいが、普段のお前は天然丸出しでちょうどいいからそのままでいいぞ。」

「し、獅子島さん・・・!」

「リアルな芝居をするには、実際に教えんといかんからな。勉強ぐらい、俺が教えてやろう。」

「い、いいんですか?法学部って、他の学部よりも忙しいところでしょう?その上、警察官の試験勉強で大変へんじゃ・・・?」

「忙しいぐらいがちょうどいい。」



私の言葉に、ハンドルを動かしながら獅子島さんは言った。



「警官として現場に入った時、その忙しさにやられないためにも、練習にちょうどいい・・・」

「獅子島さん・・・」

「凛道、礼はどうした?」

「え!?あ、ありがとうございます!」

「なにについてだ?」

「家庭教師を、勉強を教えて下さるから・・・です!ご指導、お願いします!」

「フン・・・それでいい。」



そう語る獅子島さんは、もう笑顔じゃない。

大学から出た瞬間から、笑顔じゃなかった。

いつもの獅子島伊織モードだ。

おかげで、ますます謎が深まる。