「そ、それ!瑞希お兄ちゃん達は知ってるんですか?」
「ああ。怒ったり、笑ったりとうるさかったが、祝いはしてくれたな。大学合格と警官辞退パーティーを。」
「あまり聞かないお題ですね!?」
「だから、龍星軍の者以外は、俺が警官を辞退したことは知らん。バラさんが知っているのはしかたないが・・・・」
「ご存じなんですか!?」
「軽擦関係者だからな。お前も円城寺達には言うなよ、凛道?」
「え!?そ、そうおっしゃるなら、言いませんが・・・・」
内緒にしてるなら、言わないけど。
「それなら、なぜ僕に言ったんですか・・・?」
「お前には関係ない。」
青になった信号を見ながら、獅子島さんはそっけなく言う。
「か、関係ないって・・・・」
「俺がどう考えているかなど、お前には関係ないだろう?」
「だからって・・・」
(関係ないのに教えたの?)
ややこしい気持ちで彼を見れば、目だけで私を見た後で言った。
「まぁ・・・しいていうなら、面白そうだから言っただけだ。」
「面白そう!?」
「そういうわけだから、大学では俺の教え子を演じろ。素直で可愛くしろと言いたいが、普段のお前は天然丸出しでちょうどいいからそのままでいいぞ。」
「し、獅子島さん・・・!」
「リアルな芝居をするには、実際に教えんといかんからな。勉強ぐらい、俺が教えてやろう。」
「い、いいんですか?法学部って、他の学部よりも忙しいところでしょう?その上、警察官の試験勉強で大変へんじゃ・・・?」
「忙しいぐらいがちょうどいい。」
私の言葉に、ハンドルを動かしながら獅子島さんは言った。
「警官として現場に入った時、その忙しさにやられないためにも、練習にちょうどいい・・・」
「獅子島さん・・・」
「凛道、礼はどうした?」
「え!?あ、ありがとうございます!」
「なにについてだ?」
「家庭教師を、勉強を教えて下さるから・・・です!ご指導、お願いします!」
「フン・・・それでいい。」
そう語る獅子島さんは、もう笑顔じゃない。
大学から出た瞬間から、笑顔じゃなかった。
いつもの獅子島伊織モードだ。
おかげで、ますます謎が深まる。


