帰り道は、魂が抜けていた。
「瑞希お兄ちゃん、瑞希お兄ちゃん、瑞希お兄ちゃん。」
「やかましい。そんな呪文で瑞希が出てくるわけないだろう。」
授業を終え、大学を後にした私は、獅子島さんの車で帰路についていた。
「こわかったよぉ、こわかったよぉ、こわかったよぉ・・・!」
「ガタガタ言うと、車から叩き落とすぞ。」
そう語る獅子島さんは、さっきとは別人。
「獅子島さん・・・・どうして大学では、あんなんなんですか?」
「だれでも外面ぐらいするだろう。」
「やりすぎですよ!?全く違ってました!」
本当に別人。
二重人格もいいところよ!
そんな私に、運転しながら獅子島さんは言った。
「フン・・・・周りと仲良くしておいて損はない。」
「じゃあ、普段からそうして下さいよ。」
「族関係の世界と、パンピー世界では、かってが違う。俺は大学では、ヤンキーだったことを黙っている。くれぐれも、言うんじゃないぞ、凛道・・・!?」
「言うわけないですよ!」
(言ったら何をされるかわからないもん!)
〔★怖いことだろう★〕
「これでも擬態(ぎたい)に気をつかっている。」
「ぎたい・・・」
〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
擬態(ぎたい):動物が身を守るために、周囲の物や他の動物によく似た色や形になることだよん♪
「それ、化けてるとも言うんじゃ・・・?」
「変装と言え。俺の件に関しては、瑞希達も協力していることだ。」
「え!?瑞希お兄ちゃんも!?」
「ああ、大学関係者の前では、良い子ぶってくれる。」
「・・・・百鬼さんもですか?」
「安心しろ。あいつは出入り禁止にしてる。」
「そうなりますね・・・」
〔★可哀想な扱いだった★〕


