彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)


真実を言いたいけど、言えない。




(言った瞬間、怖いことが起きそうな予感しかしない・・・)



悔しいが、ここは大人しく従うのが安全・・・!





「それはいい。」





言いなりでうなずいた私に、名誉教授は言った。



「教育現場に関心を持つのは良いことだ。凛君だったかな?せっかく来たんじゃし、わしの授業を見ていきなさい。」

「ええ!?」

「よろしんですか、徳永名誉教授?」



私がギョッとし、獅子島さんがわざとらしく驚きながら聞く。

これにおじいさんは、アゴヒゲをなでながら言った。



「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ!見聞きさせて、育てるのも教育じゃ!」



〔★許可が出た★〕



この発言を受け、周りが騒がしくなる。



「すごーい、よかったね、凛君!」

「徳永名誉教授の授業は、政治家でも聞きたがるんだぜ!?」



獅子島さんの奇跡の友人、江藤さんと成瀬さんが笑顔で言ってくれる。



「そ、そうなんですか?」

「そうよ!受講生以外は受けられないんだから!」

「オープンキャンパスでも聞けないから、貴重だぜ~」


(そうなんだ・・・)



すごいことだけど、望んでない展開に頭がついて行かない。

そんな思いで固まっていたら・・・・




「よかったな凛君?」

「う?」




ポンと、肩を叩かれた。





「徳永名誉教授自らのご厚意だ・・・!」

「し、獅子島さん?」

「もちろん、私と一緒に行くよね・・・・!?」







そう語る眼は、『断ったらぶっ殺す。』と言っていた。





「よ・・・喜んで行かせていただきます・・・・!」

「ははは!嬉しさのあまり震えてるんだね~よしよし~」



プルプルと、震える肩を抱かれる。

ニコニコ顔で言う獅子島さんに、いつもとは違う恐怖を感じる。



(うわぁーん、助けて瑞希お兄ちゃーん!!)





最愛の人に救助を求めるぐらいに。



〔★助けは来ないだろう★〕



満面の笑みで優しく言う獅子島さんのおかげで、震えが止まらなくなる。

精神的にいたぶる相手に、この人はSだと思う。

こうして、羨望と祝福の視線を受けながら、名門大学で初講義を受けた。