誰にもわからないように、平然と行われる無言のジェスチャー。
いろいろツッコミどころはあったけど、従うしかない。
(瑞希お兄ちゃんへの告白もしないで、死にたくなぁーいっ!!)
「は・・・初めまして。凛です・・・!」
おじいさんに向け、さっきみたいにきれいなおじぎをした。
これに名誉教授のご老体は――――――――
「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ!緊張してるのかな?」
「は、はい!」
笑顔で誤解してくれた。
〔★教授の言う緊張と、凛の言う緊張は違う★〕
私達を微笑ましく見ながら、悪魔が耳元でささやく。
「すみません、教授。この子は、引っ込み思案なだけですよ。ねぇ、凛君?」
「はいっ・・・・!」
ギューと肩を掴まれ、首を何度も縦に振る。
―コノママ、バレズニ、イイコニシテロ・・・・!!―
―おおせの、ままに・・・・!―
どうやら、合格ラインは超えたようだ。
〔★死線も越えた★〕
「そんなにおびえんでも、取って食ったりはせんよ?」
(あなたにはね・・・!)
私達のなごやかなやり取り(?)を見ていたおじいさんが、笑いながら言う。
これに、心の中でしか真実が言えない私。
ニコニコしながら名誉教授は言った。
「獅子島君の教え子と言うのはわかったが、どうしてその子がここにいるのかな?」
「えっと・・・・」
(逆に私が聞きたいです・・・・。)
その質問に答えられない私に、連れて来た本人が答える。
「はい。私の大学の話をしたら、どうしても見て見たくなったみたいで・・・ねぇ、凛君?」
(そうきたか!?)
来た理由が、私が頼んだって!?
ばかぁー!! だれがそんなこと言ったのよ!?
わけもわからないまま連れてこられ、緊張しっぱなしだよ!
怖い思いの連続なんですけど!?
(と言いたいところだけど・・・・!!)
「凛君?」
「・・・・おっしゃる通りです・・・・・」
〔★言えるわけなかった★〕


