能面みたいな顔が笑うだけでもびっくりなのに、彼は新たな言葉を発したのだ。
それがー
(家庭教師!?)
家庭教師ってなに!?
誰が!?
なにが!?
え?私に関係してる!?
「学校の話をしたら、見たいとねだられてね。連れて来たんだよ。」
そう言った手が私の頭に触れる。
(ひ!?)
「今、全教科、見ているんだ。この子の勉強をね。」
「ひ・・・・・!」
(ひいいい!?)
頭をなでられている!?
優しく扱われてる!?
(どうしたの、獅子島さん!?もうすぐ死ぬの!?)
〔★伊織のお触り、凛はおびえている★〕
獅子島さんの説明に、やってきた男女が感心したように言う。
「へぇ~それじゃあ、この子も獅子島の教え子か?凛君もうちの大学を目指してるのか?」
「いや、進みたい学科が違うからね。親御さんは、食品衛生関係よりも、理系に行かせたいんだが・・・」
「わぁ~大変ね?でも、獅子島君が勉強教えてるなら、きっと大丈夫だよ。ねぇ僕~?」
そう言って、私をのぞき込んでくるお姉さん。
獅子島さんの激変に驚くあまり、反応が遅れる。
そんな私に彼女が言った。
「こんにちは。私は獅子島君と同じ学科の江藤杏理(えとうあんり)です。」
「俺も!獅子島と同じ学部の成瀬タクマ。よろしくね!」
「あ・・・は、はじめまして。凛です・・・・」
ペコッと頭を下げてあげれば、人の良い二人が私を見ていた。
「緊張してるの?可愛い~!何年生?獅子島君に、こんなちっちゃい教え子がいるなんて~」
「勉強教えてもらってるとか、凛君は運がいいな~!獅子島は、本校始まって以来の天才だからな!」
「て、天才!?」
「はは!よしてくれ、成瀬。大げさだ。」
「なに言ってんだよ?この間の全国模試も一番だったじゃないか?」
「そうよね~獅子島君は、言ってしまえば、我が法学部のエースよ!」
「法学部っ!!?」
聞えてきた単語を、思わず聞き返す。
〔★聞き返したくもなる内容だ★〕


