勉強を教えてやると言われて、車に乗せられた。
どれぐらい走ったかわからない。
わかっていることといえば・・・・
「キレイな車ですね~?」
「日産のノートだ。」
助手席から車内を見ていたら、隣で獅子島さんが言う。
「燃費と走りが良い。」
「そうですか。」
その言葉に合わせて外を見る。
ゆっくりな走行速度。
「あまり、飛ばさないんですね?」
「俺は走り屋じゃない。」
「元ヤンですよね?」
「『元』だ。今は普通の一般人だ。」
「そうですか・・・」
そうは言ってるけど、この間も暴れたじゃない。
どこの世界に、ヤクザの組長の背後を取る一般人がいるだろう。
〔★凛の隣にいる★〕
「あの~どこへ行くんですか?」
「もうすぐつく。」
目的地を聞けば、獅子島さんは言った。
「凛道、後部座席にショルダーが2種類あるだろう?」
「あ、赤色と皮のタイプのものですか?」
「そうだ、取れ。皮を俺によこせ。赤はお前用だ。」
「え!?僕用・・・?」
「お前に今から貸してやる。いいか、向こうについたら、よけいなことをしゃべるなよ?」
「む、向こうって??」
「見えてるだろう?右前方のあの建物だ。」
その言葉通り、大きな建物が見えた。
「バンダナは外し、前のポケットに入っている立体マスクに変えろ。」
「ええ!?なんでですか?」
「不満か?」
「いえ、ないです。」
逆らうのが怖くて、素早く交換する。
〔★凛は素直に従った★〕
「最初からそうしろ。では、入るぞ。」
「え!?でも、ここは・・・・・・!?」
車が進む方向を見て気づく。
「獅子島さん!?ここに何の用が!?」
「勉強だと言ってるだろう?」
「ですが、この場所は―――――――――・・・・!?」
「そうだ。」
私の問いに、こちらを見ることなく言った。
「ここは大学だ。学生である俺が、勉強という用事があるのは当然だろう?」
「えええええええええええ!?」
(だ、大学生!?)
あの獅子島さんが、大学生なの!?
「大学生だったんですか!?」
「なんだ?知らんのか?」
「初耳何ですけどぉおおお!?」
「そうか、ならば言っておこう。俺はただの大学生だ。」
「ただ!?いや、ちがうでしょう!?」
この大学を私は知ってる。
「ここは、東京大学!通称『東大』と呼ばれる日本で一番頭の良い大学ですよ!!?」
「そうだ。頭が良い俺だから、入れた学校だ。」
そう語る姿を見て思う。
神様は、与えてはいけない人に知識を与えた、と。
私が呆然としてる間に、車は大学構内へと入った。


