彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




勉強を教えてやると言われて、車に乗せられた。

どれぐらい走ったかわからない。

わかっていることといえば・・・・



「キレイな車ですね~?」

「日産のノートだ。」



助手席から車内を見ていたら、隣で獅子島さんが言う。



「燃費と走りが良い。」

「そうですか。」



その言葉に合わせて外を見る。

ゆっくりな走行速度。



「あまり、飛ばさないんですね?」

「俺は走り屋じゃない。」

「元ヤンですよね?」

「『元』だ。今は普通の一般人だ。」

「そうですか・・・」



そうは言ってるけど、この間も暴れたじゃない。

どこの世界に、ヤクザの組長の背後を取る一般人がいるだろう。



〔★凛の隣にいる★〕




「あの~どこへ行くんですか?」

「もうすぐつく。」


目的地を聞けば、獅子島さんは言った。


「凛道、後部座席にショルダーが2種類あるだろう?」

「あ、赤色と皮のタイプのものですか?」

「そうだ、取れ。皮を俺によこせ。赤はお前用だ。」

「え!?僕用・・・?」

「お前に今から貸してやる。いいか、向こうについたら、よけいなことをしゃべるなよ?」

「む、向こうって??」

「見えてるだろう?右前方のあの建物だ。」



その言葉通り、大きな建物が見えた。



「バンダナは外し、前のポケットに入っている立体マスクに変えろ。」

「ええ!?なんでですか?」

「不満か?」

「いえ、ないです。」



逆らうのが怖くて、素早く交換する。



〔★凛は素直に従った★〕



「最初からそうしろ。では、入るぞ。」

「え!?でも、ここは・・・・・・!?」



車が進む方向を見て気づく。



「獅子島さん!?ここに何の用が!?」

「勉強だと言ってるだろう?」

「ですが、この場所は―――――――――・・・・!?」

「そうだ。」



私の問いに、こちらを見ることなく言った。



「ここは大学だ。学生である俺が、勉強という用事があるのは当然だろう?」

「えええええええええええ!?」


(だ、大学生!?)


あの獅子島さんが、大学生なの!?


「大学生だったんですか!?」

「なんだ?知らんのか?」

「初耳何ですけどぉおおお!?」

「そうか、ならば言っておこう。俺はただの大学生だ。」

「ただ!?いや、ちがうでしょう!?」



この大学を私は知ってる。



「ここは、東京大学!通称『東大』と呼ばれる日本で一番頭の良い大学ですよ!!?」

「そうだ。頭が良い俺だから、入れた学校だ。」



そう語る姿を見て思う。

神様は、与えてはいけない人に知識を与えた、と。

私が呆然としてる間に、車は大学構内へと入った。