彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「凛道。お前、今からヒマだな?」

「え!?暇と言うか・・・」

「世間の学生は、テスト前だと言うのに、大した自信だ。」

「そんなことないですよ!瑞希お兄ちゃんを見たら帰って勉強しようと~」

「仕方ない。そこまで言うなら、勉強を教えてやろう。」

「え!?言ってもいませんが、獅子島さんが僕に教える!?」

「だいたい、どこの高校もテスト範囲は同じだ。教えてやろう。」

「あ、いや、お忙しいなら、無理には~」

「不服か?」

「むぎゅ!?な、ないですぅ・・・!」



再び片手で両頬をつぶされる。

とんでもないと言えば、あっさりと手が離れる。



「そこまで拝むなら仕方ない。ついてこい。」

「え!?あ、ああ・・・獅子島さんの部屋ですか?」

「馬鹿者。ガレージだ。」

「え!?意外な場所で勉強しますね!?」

「誰がガレージと言った?車で移動だ。」

「車!?え!?出かけるの!?」

「俺もこれで忙しい。付き添わせてやることに、感謝しろ。」

「えええ!?い、いいです!忙しいなら、いいでー!」

「さっさと来い。」




ガッと首根っこを掴まれて持ち上げられる。



「ちょっとー!?」

「小さいので運びやすい。」

「どこ連れてく気ですか!?獅子島さん!し、獅子島さーん!」



じたばた暴れるけど逃げれない。

私の問いに、目だけでこちらを見ながら言った。




「なぁに、良い場所だ・・・・!」




無表情のクールフェイスがにたりと笑う。

それで私の気持ちは決まった。



「いやあああああああ!だ、誰か助けて!殺されるぅ!瑞希お兄ちーゃん!」

「お前を殺して得をするなら、とっくに寿命を止めている。静かについて来い。」

「ついて来いって言うか、これ連れ去り状態じゃないですか!?ああああ!怖い、怖いよ!やっぱり、こわーい!瑞希お兄ちゃん!瑞希お兄ちゃぁぁぁぁ――――――・・・ん・・・・!!」



説得力のない言葉に、好きな人の名を呼ぶ。

無駄だと、頭の片隅でわかっていたけど助けを求める。

来てくれることを期待したけど、軌跡は起きなかった。

獅子島さんによってガレージへと続く扉が開き、無情にも閉まる。

その音を聞きながら、私も終わったと思った。



〔★凛は連れさらわれた★〕