「す、すみません!僕・・・!」
「問い5は、途中の計算式で間違えているな。」
「え?」
そう語る指が、5番目の問題の上にあった。
「ここにYがきてるが、となりだ。」
「獅子島さん・・・・?」
「そこまでひねってはいない。もう一回、解いてみろ。」
「あの・・・・」
(もしかして・・・・・・・)
「教えて・・・くださっているんですか?」
「他に理由があるか?」
恐る恐る聞けば、いつもの調子で言うメガネの先輩。
「このレベルができているなら、学校の授業にはついていけているみたいだな。」
「え!?わかるんですか?」
「わからんとでも思ったのか?」
「むぎゅ!?い、いたいです・・・!」
ミシミシと、片手で両頬を挟む元ヤン。
参ったと彼の手を叩きながら講義すれば、意外と早く離れた。
「ふん!それぐらい見ぬけんでどうする?」
「す、すごいですね。頭の良い人は違うと言いますか・・・」
(元ヤンだけどね・・・!)
〔★個人差はある★〕
無表情でお仕置きしてくる獅子島さんに、笑顔で感想を述べてから聞いた。
「と、ところで、獅子島さん!この問題集はだれの物ですか?」
「聞いてどうする?」
「あ、いえ・・・すごくわかりやすかったので、気になりまして。どこで買ったのかなぁ~と。」
あわよくば、教えてもらって私も手に入れたい。
(テストの参考にしたい!!)
そんな私の気持ちを、メガネの先輩は見事に打ちくだいた。
「買った?馬鹿を言うな。」
私の問いに、獅子島さんはシビアに答えた。
「俺が作った。」
「あなたが作ったの!?」
〔★手作りだった★〕
市販ではなく、個人的に作った物!?
しかも、製作者が獅子島さん!?
「ええ!?このわかりやすい問題集、獅子島さんが作ったんですか!?」
「当たり前だ。俺が作ったからこそ、サルでもとける。凛道でも解ける。」
「おさると一緒にしないでください!あなた本当に元ヤンですか!?秀才ですよね!?」
「ふん・・・褒めてもなにもでんぞ?」
「褒めるしかないでしょう!?たたえるしかないですよ、これ!?」
「そういうことにしておいてやろう。」
私の言葉に、眼鏡をクイッと直すと言った。


