彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「す、すみません!僕・・・!」

「問い5は、途中の計算式で間違えているな。」

「え?」



そう語る指が、5番目の問題の上にあった。



「ここにYがきてるが、となりだ。」

「獅子島さん・・・・?」

「そこまでひねってはいない。もう一回、解いてみろ。」

「あの・・・・」

(もしかして・・・・・・・)




「教えて・・・くださっているんですか?」

「他に理由があるか?」



恐る恐る聞けば、いつもの調子で言うメガネの先輩。



「このレベルができているなら、学校の授業にはついていけているみたいだな。」

「え!?わかるんですか?」

「わからんとでも思ったのか?」

「むぎゅ!?い、いたいです・・・!」



ミシミシと、片手で両頬を挟む元ヤン。

参ったと彼の手を叩きながら講義すれば、意外と早く離れた。



「ふん!それぐらい見ぬけんでどうする?」

「す、すごいですね。頭の良い人は違うと言いますか・・・」


(元ヤンだけどね・・・!)



〔★個人差はある★〕



無表情でお仕置きしてくる獅子島さんに、笑顔で感想を述べてから聞いた。



「と、ところで、獅子島さん!この問題集はだれの物ですか?」

「聞いてどうする?」

「あ、いえ・・・すごくわかりやすかったので、気になりまして。どこで買ったのかなぁ~と。」




あわよくば、教えてもらって私も手に入れたい。




(テストの参考にしたい!!)




そんな私の気持ちを、メガネの先輩は見事に打ちくだいた。





「買った?馬鹿を言うな。」




私の問いに、獅子島さんはシビアに答えた。





「俺が作った。」

「あなたが作ったの!?」



〔★手作りだった★〕




市販ではなく、個人的に作った物!?


しかも、製作者が獅子島さん!?



「ええ!?このわかりやすい問題集、獅子島さんが作ったんですか!?」

「当たり前だ。俺が作ったからこそ、サルでもとける。凛道でも解ける。」

「おさると一緒にしないでください!あなた本当に元ヤンですか!?秀才ですよね!?」

「ふん・・・褒めてもなにもでんぞ?」

「褒めるしかないでしょう!?たたえるしかないですよ、これ!?」

「そういうことにしておいてやろう。」



私の言葉に、眼鏡をクイッと直すと言った。