「よ~し!」
レジ側にあるメモ紙を手に取る。
直接書き込むのは良くないので、解いた答えをメモ紙に書く。
解答用紙もちゃんとついていたので、後から答え合わせもできた。
「すごい、この問題!丁寧だし、まとめ方が良いし、何より見やすい!」
(どこの出版社が出してるのかな?)
クリップでとめている紙の束に、そういった印字はない。
(どこかの塾で発行してる物かな・・・・?)
こんなに良い問題集を作ってくれるなら、行ってもいいかも。
「これだけ要点だけまとめていて、無駄のない答案を作れるぐらいなら、効率よく憶えられるかもしれないもんね~」
そうつぶやいて、1ページめくる。
一教科解けるごとに、ぺらペらとめくる。
(人様のとわかってるから、そーっと、そーっと、大切に・・・!)
使いながら、シャーペンで化学記号を書き込んだ時だった。
「何をしている?」
「きゃ、わあああああああああああああ!?」
突然かけられた声に、びっくりして叫ぶ。
「ああああああ!ご、ご、ごめんなさい!!」
反射的に謝る。
「す、すみません!出来心でつい!ごめんなさい!」
プリントの束を勝手に借りていたということもあって、謝りながら振り返る。
目に飛び込んできたのは、意外な人だった。
「獅子島さん!?」
「なにをしてる、凛道?」
いたのは、英語文字の本を数冊持った獅子島さんだった。
私を見た後で、その視線が私の手元へと向かう。
「お前、それは・・・・」
「あ。」
机の上の問題集と私を見比べる獅子島さん。
だから、誤解される前に慌てて言った。
「す、すみません!あまりにも、わかりやすいテキストがあったので、参考にしたくて!」
「ほお、わかりやすいか。」
私の言葉に、クリップで止めていたプリントの束を持ち上げる。
そして、再び私へと視線を向けながら言った。
「なるほど。問題用紙に書き込まず、メモ紙に答えを書いていたのか?やった証拠を残さんように。」
「あ!?」
そう言い終る前に、彼は私が書いた解答のメモを取り上げた。


