「はぁ〜づがれ゛だぁ゛~」


「委員長だからこれぐらいは普通だろ」


「でも雑用だよ?!プリティーガールの私がやってはいけないと思う!」


「うんまぁ…プリティーガールは否定するけど確かに雑用だよな…」


落書き調査、プリント運び、ノート運び、終いには窓拭きだった。


「そこ、否定しないでよ!」


彼がくすっと笑った。可愛い…


ドキン…


今、私は恋してるのかな?


あぁ〜そういえば私の初恋っていつだっけ…


というか高校生の頃誰かと付き合ってたっけ…


あれ?何も思い出せない。


今は一人暮らしだけど家族は昔いたっけ?


入学式の日からのことしか思い出せない。


なんでなんでなんで!


頭が混乱する。めまいがしてきた。


「…大………か?……大丈夫か?!」


「はっ!今困っている子供に呼ばれたわ!」


「えっ、」


「それじゃあさようなら!」


「…うん」


あぁ〜なんかごめんね。


ほんと、なんで思い出せないの?


まるで生まれ変わってしまったみたい…


そのとき小さい男の子が目の前に見えた。


「かおるくん?…にそっくり」


その男の子が満面の笑みで近寄る。そしてこう言った。


『ーおかえり、お姉ちゃんー』


…きっと薫くんが好きすぎて薫くん似の幻覚を見たんだわ。


今はそう思っていた。