苦しくなって本気で助けを求めている私に気づいたのか、頭を固定していた手は離れてくれた。
大きく肩を揺らして呼吸を整えている様子は体が酸素をどれだけ欲しがっているのかわかる。
視界がぼやけて、さだまらなくて。
ああ、やばい。
このままじゃ地面に倒れこむ……。
「ユズ、危ないよ!」
ふらついた私が転んで痛い思いをしないで済んだのは、志麻くんがとっさに引き寄せてくれたおかげ。
華奢な志麻くんの細い腕につかまってるのも悪い気がして、すぐ離れる。
ああ、もうなんなんだあの王様は。
悔しすぎる。
キスひとつでこんなになっちゃって。



