朝。


登校してくる私を待っていたかのように席に座っている匠の姿があった。


なんで人の席に座ってんだか……



様子を伺いながらおそるおそる近づいていく。




「おはよう、柚奈。待ってたよ〜」




千紘が私に気づいて挨拶をくれるとその近くにいた男子3人の視線が向けられた。



柳瀬くんに志麻くん、匠。



今日から夏休みだというのにいつもと変わらず朝から登校してこいなんて、うちの文化祭実行委員は鬼だと思う。



こいつね。


この王様ね。




「おっせえなお前」



「えー……時間通りだよ」



「場所移動するぞ」



「えっ、クラスのみんなまだ来てないけど? 不在にしていーんですか」



「今日はこの5人で十分」