「こーら志麻!柚奈ちゃん本気で困ってるからやめろ」
「だってイイ反応くれるから楽しくてー」
前を歩いていた柳瀬くんが振り返って私たちに気づいてくれて。
呆れたような顔を向ける。
ああ……柳瀬くんやっぱり優しい。
面倒見のいいお兄ちゃんって感じだ。
そんなお兄ちゃんの言うことはちゃんと守るようで、志麻くんは私からすぐに離れてくれた。
チラッと見てみれば、その口元にはイタズラな笑み。
「ユズ、至近距離苦手?」
「う、うん…」
「俺こんな感じだからよろしくね!まぁ、すぐ慣れる慣れる」
それだけ言って千紘たちの元へと走っていってしまった。
志麻くんの感覚がわからない……!