みんなで誕生日をお祝いしよう、なんて笑って少し未来の話をする。
このメンバーでいるのが当たり前になるのは嬉しいけど……私が気持ちを伝えたあとはどうなるんだろう。
どうも変わらない?
どう、変わっていくのかな。
少し不安に揺れ動く気持ちがないといえば嘘になる。
「帰ってすぐ寝んなよ。牛になる」
「匠こそ電車で座れたら即寝るんでしょ」
「俺は寝ても大丈夫だから」
なにそれ、と笑っているとホームに電車が来た勢いで風が髪を宙に舞わせる。
わっ…髪が目に入ったよ。
あー髪ぐしゃぐしゃだ。
直そうと持ちあげた手は中途半端に浮いて、視線は隣から伸びて来た指先に釘付けになっていた。
スローモーションのように、時間が止まった感覚に陥る。
「髪、食ってる」
「う、ん。ありがとう……」