私からなかなか離れようとしない千紘の手をぽんぽんと優しく触れ、「待ってるから一緒に帰ろう」って声をかけてみる。
微妙な顔をしつつも、頷いた千紘はそっと離れて柳瀬くんの後をついていった。
その姿を見送っていると、隣に人の気配がやってきた。
「千紘に乱暴はダメだよ」
「こんなん痛くねぇだろ」
っ、無意味に私の頭も叩かないで!
パンを持ったままの手で、ヤメてと振り払うようにあげた。
ちょうどいい高さにあったから、なのか
パクッと匠に食べられる。私の食べかけ…。
「なっ……!」
「何?俺があげたんだけど」



