そーっと、
足音を立てないように近づく。
横に向けられた顔で本人だとわかった。
「……匠…寝てるの?」
「……」
反応なし、か。
目は気持ちよさそうに瞑られてて、規則正しい呼吸。
どれだけ深く眠ってるんだろう。
さっきも盗撮されてたみたいだし、それに気づかないぐらいに。
そして、私がこうしてここに立っている事も気づいてない。
あの王様が無防備だなんて、珍しい。
机の上には、数字が並んだ表やおそらく文化祭当日の予定表などたくさんの資料が散らばってて…
実行委員の仕事ほんとに忙しいんだね。
「ちゃんと仕事してるんだね」
無意識に呟いた言葉は誰かに届いたわけでもなく、静寂な空間に消える。
めちゃくちゃな事しか言わない。
自分の言う事は絶対だという。
やりたい放題の王様だと思っていたから……なんか、こう真面目な一面を見ると意外性を感じちゃう。



