うわぁ、私ほんとに可愛くない!
ますます遠ざかってる気がする、ダメな方向に向かってる気がする!
でも、今はこの話題をそらしたい気持ちで頭いっぱいなんだもん。
動揺してると思われたくない一心で、頑張ってその目を見つめていれば。
「おまえがどんな奴にしつけられんのか、興味あるだけ」
「…しつけって……あんたのその人をペットみたいに扱うところどうにかなんないの?」
「ご主人の言う事は絶対って仕込んだはずだけど……柚奈も離れてくんだな」
「え?」
ガヤガヤと賑やかなフロアだったけど、不思議と匠のその小さな声は聞き落とす事なくしっかりと耳に届いた。
…なに?
いつもみたいに鼻で笑ってそっぽ向いてみせてよ。
そしたら、感情のままに反論してやるのに。
まっすぐと向けられる視線ははずされる事なく、訴えかけるようなそれは初めてみる表情な気がする。



