ひと睨みされて機嫌の悪さが伝わってくる。
王様は待たされる事が時間の無駄だから何よりもお嫌いでしたね。
「あ…じゃあまたね久河さんっ」
気をつけて、と聞こえるか聞こえないかぐらいのその声に送り出され私は駆け足であの背中を追いかける。
はぁ……。
けっきょく、戻って何がしたかったんだろう私。
まさか、久河さんの気持ちを聞いてしまうとは思いもしなかったよ。
ローファーにちゃんと足を入れないままひょこひょこと慌ただしく外に出た。
トントンとつま先で地面を叩き、かかとがやっと入る。
そのままの勢いで校門めがけて走り出した。
見えた。
あの背中。
じんわりと首筋が汗ばむのを感じながら、やっと隣に。
無言で見上げた横顔は相変わらず何を考えているのかわからなくて、何考えてんのかなって考えてしまう。
…さっき、久河さんがいた事は気づいてるよね?



