あ。


頭といえば。



お財布を叩きつけられたところは幸い腫れ上がったりなにもなってなくて、安心だよ。



今思い出してもほんと信じられないあの男。



…はぁ、問題集に全然集中できないし、




「もう、やめよっ!ちょっと寝てから帰ろー…」



教室には私だけで、誰の目も気にしなくていいんだ。



顔を横に向けてそのままノートの上に乗せた。



軽く目を瞑ると窓を閉めていても聞こえるセミの声がどんどん遠ざかっていく。



暑い夏でも寒い冬でも季節関係なく、教室で席についていると眠気はいつでも急にやってくる。



ん…

もう寝れそう、かも。



意識を手放していく感覚を心地よく思いながら、思うがままに身を委ねた。