「なんだろう……?」
「誰か物落としたんじゃねぇの」
静かな廊下にはやけに大きく聞こえて、何事かとびっくりする。
ちょうど階段への曲がり角、散乱するノートが見えた。
気になったので近づいていってみると、そこには床に手をついた姿勢のままで俯いている女の子が。
私の足音に気づいて顔を上げたその人と目が合う。
「えっ、久河さん大丈夫!?」
「あ……鳴海さん…」
もしかして階段から滑り落ちた?
痛さに顔を歪ませて言葉を発するのもつらそうで。
しゃがみこんでそっと触れると肩が震えているのがわかった。
とりあえず保健室行かなきゃ…!
「柚奈、邪魔。どけ」
声に振り返ると匠に見下ろされていて。
だけどその視線はすぐに私から違う方へ移る。
「立てるか」
「ちょっと……厳しい。足に…うまく力入らなくて」
「保健室まで連れてってやる」



