「おーっと、あっぶね。もったいねーだろ!床も汚れるし、手も汚れるぞ」
「わぁ、ありがと佐々木。すばしっこいね…」
「なに感動してんだ。早く残りも食え」
視界に飛び込んで来たかと思えばすぐに離れていった佐々木の頭。
崩れかけたアイスのかけらをパクリと食べてくれた。
素早い行動にびっくりして目をパチパチさせてしまう。
「鳴海、俺の妹と同レベ。ちなみに幼稚園児な?」
「うわ、ひっど!」
楽しそうに笑う佐々木を横目に残りのアイスをかじっていった。
この前の文化祭準備の日のゲラゲラ大きな声で笑っていた姿は嫌だなと気になってしまってたけど、今の笑顔は不快じゃない。
私も自然にふっと口が緩む。
一面だけを見て判断していたら、こんな風に普通におしゃべりもできる仲になんてなっていなかっただろうな。