「おお、びっくりした。誰かと思えば千紘と柚奈ちゃんじゃん」 「わたしもびっくりだよ。ねぇねぇ、ご一緒してもいいですか?」 「もちろんいいけど? なぁ、匠」 テーブル横に立ったまま千紘と柳瀬くんの会話を聞いていた。 匠がこっち見たので内心ドキリ。 「どーぞ? なんなら柚奈と帰るけど」 私と……帰る!? 匠の言葉に耳を疑う。 へえ… 匠のくせにそういう気づかいできるんだ……