「自分を可愛いでしょ?って見せない、あるいは見せ方を知らない子に手ぇ出す傾向があると思うんだよね、匠」
「そっか…」なんて気のない返事をして、自分の手元のグラスに視線を落とす。
私が最後の言葉に気を落としていると勘違いしたのか志麻くんは目の前に飛んで来た。
「えっ、あ、ごめんユズ! 気分悪くした? 言葉足らずだったよね、んーとね、言い直そう。飾らない自然体な清純派が好みだと思います、匠は意外にも」
ちょうど机の上に置いてあったスマホ画面に目がいく。
真っ黒な画面に自分の顔を映した。
化粧っ気もないし。
食事制限なんて考えずに好き放題食べてる。
匠を取り巻く女子たちみたいな、可愛くなりたいと一生懸命に努力したこともない私。
飾らない自然体、ね。
物は言いよう。
同じ言い方でも捉え方で違ってくるものだ。
たしなみ程度も着飾ることを知らない、できないのは……いけない?



