匠が何か差し出して来たと思って見たら、手には入場券が2枚。
ぎょっとして顔をあげれば、
「今日は俺とお前だけ」
そう言われて私はさらに目を見開いた。
聞いてないですよ!?
現地に到着して初めて知る事実。
……あれ?
待てよ…、だから昨日わざわざ個人あてに連絡してきたのか?
まだ固まっている私に早く1枚受け取れと、ひらひらさせるから、とりあえず紙の端に触れる。
「ありがと、お金あとで渡す」
買ってくれたんだ、意外…。
予想外の連続だけど、帰るという選択肢はないみたいだし、本音いうと私も遊びたかったから。
この前はお手伝い中に倒れちゃったから、遊べなかったんだよね!
でも、これはさ…
「2人じゃ、デートみたいじゃん…」