優しいのは、この前だけ…?
動物園で倒れてしまって家まで送ってくれたこと、目覚めるまでそばにいてくれたあの日のことを思い出してしまった。
毎日あんぐらいだったら、とっつきやすいのに。
……って、私また匠のこと考えてる。
ぶんぶんと頭を振って考えていたことを取り消そうと、今度は違うことを口に出してみた。
「早く弱点見つけて解放されたいー……」
「本気でそんなこと思ってねえくせに」
「ひゃあっ!?」
一度も後ろを振り返らなかった私は匠が教室を出ていたことなんて知らなかった。
いつの間にか、追いつかれてた。
に、逃げろ!
そう思うのは反射的で。
近くにあった扉に手をかけて横に引いてみるけど、びくりともしない。
えっ、なぜ開かないの。
このタイプの取っ手なら横に引けばふつうは開くのに!



