「はあー…っ」 適当なところで立ち止まって、壁に手をつくと同時にため息。 パラリと、 俯いたその拍子に耳にかけていた髪がこぼれて顔を隠した。 ……ほんと、あんの王様め… 扱いが雑だよ! あんなふうにゴム引っ張られたらハゲる! 髪を乱暴な手つきでほどかれたことを思い出して、手ぐしで整える。 無造作でぼさぼさになっていてももお構いなしだった匠。 耳にかけてくれるなんてそんな優しさ……匠にあるわけないか。