「――誰のものに手出してんだよ」
思案していた私の頭のちょうど上から声が降ってきた。
体をひねってみればトンと腕がなにかに当たって、そのまま視線をあげると奴が立っていた。
誰かと思えば、
「匠…どしたの」
仁王立ちしている王様が見下ろしている。
私の声は聞こえているのか、じろりと目が動いた。
冷房が効いている教室内。
さっきまでは涼しいって思っていたのに、急に今なんか背中に冷水をかけられた感覚が。
ぶるぶる震えだしそう。
「あ、サボりとは違うから!髪結んでもらっていただけで、もう作業戻るし!今すぐ」
「うるせぇな。お前には何も聞いてねぇよ」
「は…忙しいからって私に八つ当たり?」



