「どーも」
「お疲れー、久河さん」
さっきの男子たちも素直に受け取ってじっくりプリントに目を通している。
よしよし。
素直素直。
やっぱり根はいいやつらなのかな?
じっと見ていたからなのか、さっき髪を耳にかけてくれた1人が「なんだよ」と眉間にしわを寄せている。
「なんでもないよ」
「あっそー……」
なんだか嬉しくて顔が緩んじゃう。
久河さんもこの調子でお仕事取り組めればいいなぁ。
初めて話した男子たちとも先ほどなんだかんだあったけど、こうやって同じ作業にとりかかっていることも嬉しく思えてきた。
文化祭マジックってやつですか?
「あーもうなんか見てて落ち着かないわ。鳴海こっち来て。俺ヘアゴム持ってるから結んでやる」
「え、私より女子…!」
「妹用で常にポケットの中にあるだけだし!」