むむむ…?
上から降ってきた声に顔をあげた。
なんだこの人。
初対面に近い人からこんなこと言われていい気持ちする人なんていないだろう。
私たち、いじったりからかったりするような関係じゃないよね?
アホ?
それ、ただの悪口なんですけど。
「もうー、たーくーみ! 女の子には優しくするって教わらなかったっけ」
「俺は志麻みたいに誰にでも優しくできるような器用さは、全くねえな」
「匠お前なぁ……やけに柚奈ちゃんにつっかかるじゃん。どーした」
「別に?」
特に理由はないけど、ついつい毒づいちゃう。
そっかぁ仕方ないねぇって。
おい。
流してくれるだろうとでも思ってるのかな? ん?
「なあ、陸。さっきのミスコンの話だけど、こいつに出てもらえば?」
「は? なに言い出すんだよ匠」
「誰が出ても同じだろ。だってこの学校ブスしかいねえし」