【舞美】



もう、恋なんてしない


あの日から、忘れる努力をしてる


どうして?


夢を諦めることは、出来たのに


那央の事は、忘れられないの



幸せは、長続きしない




那央からのキスが、何を意味するのか

わからない


あの日から、顔を合わせるのが怖くて

避けてきた




そのしっぺ返しなのかな…




今、目の前で
私が生きる為に、必死で働いてきた


仲間達から

私への信頼が消えていくのを感じる



いつまでも、騒がしい会議室で
私は、立ち尽くしている


顔を上げられないのは、目の前に
那央の足が見えるから




バンッ



書類を机に叩きつける音がした



「いい加減にしろよ!!!
年下だって、いいじゃねぇか!!!
マイは、努力してここまできた!!
別に嘘ついたわけじゃないだろ!!
公表してなかっただけだ!!
皆で責めることないだろ!!
………マイ、気にするな!!」





「……すみませんでした」




深々と頭を下げた



晴真が、庇ってくれた


こんな私にも、味方がいる


高校の時も、吉村先生や詩步がいた







それだけで、いい