「出席番号順に並べー!」

そんな声に目を覚ます。

担任の先生らしき人が、大きな声で指示を出していた。

ぞろぞろと教室から人が出てくる。

「楓、私たちも行こ」

香奈が私の席までやってきた。

「うん」

眠い目をこすり、私も列に並ぶ。

「はぁ。入学式なんて、めんどくさ」

小さくぼそっと呟く私の声は、誰にも届かない。