「もう腕がくたくただよ」 私がそう言うと、 「俺も」 と彼は笑った。 「でも今日は俺バイトなんだ」 彼はそう言って、バットを置いた。 「そろそろ向かわなきゃだなぁ」 律太は手首の時計を見て、ふぅっと息を吐いた。 時計の針は、あと少しで4時半になるところだった。 「どこでバイトしてるの?」 私はおそるおそる聞いた。 彼は時計から顔を上げると、一瞬、何かを真剣に考えるような顔をして、 「内緒」 と答えた。