さよならはまたあとで



放課後、彼が連れて行ってくれたところは葛城とよく遊びに来るというバッティングセンターだった。

こんなところに来るのは初めてである。

真新しい景色に目が回りそうになった。


律太は「お手本を見せてやるよ」と言って、虫のように速い球を見事に打ち返して見せた。

さすが、通っているだけはある。

彼はこちらを向いてピースをしてみせた。
なんだか子供みたいで可愛い。


「優恵ちゃんもやってみなよ」


彼はそう言って、私にバットを渡した。


「えぇ、私、野球とかやったことないよ」


「大丈夫だって!すぐ慣れるよ」


彼はそう言って私の肩を叩き、それから球のスピードを少し遅めに設定してくれた。


私はボールが来るのを静かに待った。
自分のすぐ近くまで来るのを確認して、バットを大きく振った。

清々しい音を立てて、ボールは遠くへ飛んでいった。