さよならはまたあとで


「そういえば、今日空いてる?」


彼は本を自分のカバンにしまうと私に顔を向けた。


「空いてる…けど…」


「一緒に行きたいところがあるんだけどさ、行かない?」


「え、どこ?」


「ストレス発散できるところ」


ストレス発散…彼の自殺願望を少しでも弱めることができるのなら、付き合ってあげたい。

どうせ彼の死について私は知ってしまった。

今更避けたところで何も変わらない。


「いいよ」


少し考えた挙句、私はそう答えた。