「日高さん」 律太が見えなくなった頃に、私は葛城に名前を呼ばれた。 「はい」と答える。 「俺になにか話したいことでもあるの?」 「ばれてた…?」 「ばればれ」 彼の顔をちょっぴり見ると、優しい顔をしていた。 「律がいると話しにくそうだったから。」 彼はそう言って、教室のスライドドアに目をやった。 話すなら今のうちだ。と、そういうことだろう。