「燈太はね、いつも優恵ちゃんの話ばかりしてたの。その時だけは、悲しそうな顔をしてなかったのよ。ずっとお礼を言いたかったの。
ありがとう。」
「そんな」
私は両手を振る。
「お礼を言うのは私の方です。色々あって、苦しい時に、燈太君が居てくれたから私は救われたんです。いくらありがとうを言っても足りないくらいです」
こみ上げてくる涙を必死で堪えながら私はなんとかそう言った。
「あの、最近、律太と会いましたか?」
しんみりとした空気を割ってきたのは明良だった。
「えぇ」
小春さんは頷く。
「何か、変わった様子とかって…」
小春さんはしばらく下を向いて何かを考えていたが、やがて顔を上げ、話し始めた。

