ちょん、と肩をつつかれる。 お線香をあげ終わった明良が、私を見つめていた。 私も明良と同じようにお線香をあげると手を合わせた。 こうしていると、今まで少し曖昧だった燈太の死が現実味を増してくる。 死んでしまったこと、もういないことはちゃんと分かっている。 でも、こうやってお線香をあげたり、手を合わせたりする前は、「もしかしたらまだ…」という儚い希望がほんの少し残っていたのだ。 ギリギリまで信じたくない死だったのだ。