「ごめんね」
明良にまで気を遣わせて。
振り回して。
最低だな、私。
落ち込んでいく私に気づいたのか、彼は私の顔を両手でむにーっと掴む。
「はいはい笑って笑ってぇ!俺はなにがあっても優恵の見方だからね」
私から手を離すと無邪気にピースして笑う彼。
「ありがとう」
私も明良と同じようにピースをした。
明良は満足気に立ち上がると、こちらをくるりと振り返る。
「あ、でもね、俺、優恵と一緒に行きたいところがあるの。いい?」
私は大きく頷く。
「じゃあ今週の土曜日に。ここに朝10時で」
彼はそう言うとひらひらと手を振って背中を向けてしまった。
涼しくなった秋の風が、明良のいた温もりをさらっていった。

