さよならはまたあとで


「優恵?」


もう間違えない。

この声は、明良だ。

さっきばいばいしたばかりなのに。


「なに?」


私は作り笑いを浮かべて目の前に立つ明良を見上げた。


「あのさ、聞きたいことがあるんだけど」


彼は隣のブランコに座ると、ゆらゆら揺れ始めた。


「優恵ってぇ、なんで律太じゃなくて、俺を選んだの」


私は思わず息を呑む。
まさかここを聞かれるとは思わなかった。


「……勝手に振られたの」


私は素直にそう答えた。

嘘をついても仕方ないしね…


「振られた?」


「うん。…燈太の誕生日プレゼントを買いに行ったとき。
知らない子と手を繋いで歩いてて、あぁ、私はただ勘違いしてただけなんだって。
静かに身を引こうって、そう思ったの」


キィキィと明良はブランコを鳴らしながら黙って聞いている。