さよならはまたあとで


私たちは公園のベンチに場所を移した。

子供たちのはしゃぐ声が眩しい。

まるで、あんな悲惨な事故なんて無かったようだ。


「うーん、やっぱり付き合うことになったら、隠し事は無しだよねぇ」


明良はふわぁっと大きなあくびをする。


「隠し事?」


私は首をかしげる。


「ん、やっぱり話しとかなきゃいけないかな…と」


夏休みの後半。

前半よりも弱まった蝉の声。

柔らかく吹き抜ける風。

彼の澄んだ色素の薄い瞳が少し揺れた。


「優恵は…何が見えるの?」


私は息を呑んだ。

私は見えてしまうものを話したことはない。

どうして分かるの?