ジリジリと照り返しの強いアスファルトの熱は、いつにも増して酷いものだった。
道路で焼肉ができそうな気もする。
今日はたんまりと塗った日焼け止めのおかげで、そんな日差しも全く怖くない。
むしろこの天気は絶好の海日和だと、気分は清々しかった。
麦わら帽子越しに伝わる太陽の熱が心地良い。
弾む気持ちと比例して、一歩一歩が軽くなって、スキップがちになっていく。
律太が死にたくなくなるような、素敵な思い出を作るんだ。
ほんの数分の赤信号でさえ長いと感じるほど、駅に着くのが待ち遠しかった。
最近駅舎を建て替えたばかりの私の最寄駅周辺は、以前より人が増えた気がする。
同じコーデで笑いあう仲の良さそうな女の子たちや、じゃれ合っている姿の可愛いカップルに、微笑ましい家族連れ。
みんな、夏休みだから旅行に行くようで、それぞれが楽しそうに笑っている。
私が小さい頃は、よく伊豆とか、軽井沢とか、緑や青が鮮やかな場所に家族三人で旅行していた。
私が事件にあって、ショックで外に出るのも一苦労になってしまってからは、家族旅行も自然と無くなってしまったけれど。

