葛城は文句を言いながらも財布を片手にカウンターへ向かっていった。
「ね!海行こう!!」
葛城が席を離れてすぐ、見計らっていたかのように律太がこちらに身を乗り出して囁いた。
「海?」
「うん!」
律太はにひひと嬉しそうに笑う。
「二人で?」
「二人で!」
そう言って私に見せたのは一枚のチラシだった。
「この日、海で花火大会あるんだ」
私は律太の手からペラリとチラシを受け取るとそれに目を落とした。
「優恵、この前、花火観ていい顔してたから。この花火、盛大だって有名だしさ」
律太は恥ずかしそうにちょっと頭を掻く仕草をする。
「行きたい!」
私は紙面から顔を上げると律太を見つめた。
自然と笑みが溢れる私。
「時間はあとでゆっくり決めよう!邪魔が入りそう」

