さよならはまたあとで


結果発表は後夜祭の前に行われる。

その時間までに来客や生徒が好きなクラスに投票をするのだ。


「いやぁ、最高だね!優恵ちゃん!さすがうちのクラスのプリンセス」


渚がニコニコしながら私の横を歩く隣には、フラフラとした足取りの七瀬がいた。


「渚は声が大き過ぎ!!具合悪くなっちゃうよー」


「まぁ、マイクは要らないと思った」


渚はふはははと笑って控え室の扉を開けた。

あの二人はもうどこにもいなかった。

せめて七瀬と渚には謝って欲しいところだったが、見つからないものは仕方がない。


「優恵ちゃんはこれからデートなんだよねぇ」


羨ましそうに呟く渚は、私の髪を再びいじっていた。


「べ、別に、だって、ほら。付き合ってないし…本当は葛城君も来る予定だったし、」


私は慌てて訂正をする。


「またまたぁ、私たちは味方だからね!応援してるよ」


七瀬もそう笑って私のメイクを直してくれた。


「ほれ!行ってこい!!」


二人に背中を押されて、私は控え室を後にした。


「あ、」


と私はくるりと二人を振り返る。


「ありがとう!!」


自然と溢れた笑顔で顔がクシャっとするのがわかった。

そんな私に渚は「可愛すぎか!」と叫ぶ。


「引き止めたくなるから、早く行けー!!」


渚と七瀬はそう言って気持ちよく私を送り出してくれた。