さよならはまたあとで


「私、でるよ」


そんな渚に私は笑いかけた。


「でも、ドレスがこんなだし…」


七瀬はぽつりとそう呟く。


「私ね、いい考えがあるの」


私が二人にこそこそと囁くと、二人はぱぁっと顔を明るくしてにっこり笑った。



渚は私のヘアセットを、七瀬は私にメイクを施してくれた。

初めてのメイクで別人になった私を鏡に見つけると、それを見た七瀬は満足そうに「完成」とクシャっと笑った。

私はボロボロになったドレスを身にまとった。
裾の方ばかり切り裂かれていたのが不幸中の幸いだった。


「渚ちゃん、七ちゃん、本当にありがとう」


私の言葉に二人は嬉しそうに微笑んだ。


「優恵ちゃん、緊張して手と足同時に出しちゃダメだよ!」


渚が私の肩をぽんと叩く。

私たちは控え室を出た。