「とにかく、二度と千咲都ちゃんに近寄るな。わかったら向こうへ行け」

 その言葉を吐き出したとたん、五人は蜘蛛の子散らすようにさっさと逃げていった。

 私は暫く呆然として、突っ立っていた。

 そして草壁先輩は大きく息を吐いて私を見つめた。

「一年生の女子を探してる変な動きを耳にしてもしやと思ってさ、それで探りを入れたら、案の定だった。千咲都ちゃん、ほんとごめんね。迷惑かけて」

「えっ、先輩が謝る必要ないです。私の方が迷惑掛けてると思うんですけど」

「ううん、そんなことない。あいつらさ、ことあるごとにお節介な奴らでさ、いつも集団で固まって俺を監視してるんだ」

「えっ、監視? それって集団ストーカー……」

「そう、そうなんだよ。常にアンテナ張られて、自由が利かないというのか、縛り付けられているというのか」

「草壁先輩も色々と悩みがありそうですね」