このままでは私は一人ぼっちになってしまいそうで恐ろしかった。

 悩むことが多すぎて、自分の中で一杯一杯でひたすら苦しい。

 高校生活が上手くいくなんて思っていた自分の甘さが、どれだけ愚かだったかと思い知らされた。

 自分が優しくなって思いやる心を忘れなければ、誰からも好かれるはずだったのに、一番好かれたい希莉と仲たがいしてしまうなんて想定外だ。

 一体自分の何が悪いというのか。

 この呪われた手紙が全て悪いとその原因を押し付けたいが、こんな薄っぺらい手紙を持ちこんだだけで、爆弾のような破壊力になりえるのが信じられない。

 これを持っていたら私は益々不幸になってしまうのじゃないだろうか。

 この手紙が不吉なものとしか思えなかった。

 とにかく、この手紙を返さなくてはならない。

 こんな手紙持っていたくなんかない!

 一つでも気がかりな事をなくして、すっきりしたい。

 私の足は、二年生の教室がある校舎へと足を向けていた。

 しかし、その行き先は二年一組の出渕先輩のところじゃなく、二年五組の草壁先輩の方に向かっていた。

 こうなればもうヤケクソもはいっていたかもしれない。

 出渕先輩絡みの事なら草壁先輩に対処してもらえるかもという藁をも掴む思いで、上級生が一杯居る廊下を私は歩いていた。

 二年五組のクラスを恐々と覗けば、また自分の教室とは違う別の空間の雰囲気がある。

 一通り周りを見渡せば、教室の片隅で草壁先輩が友達と語らっている姿がそこにあった。

 私が不自然に教室の入り口に立っていたから、他の誰かが気がつき、連鎖反応で草壁先輩も私の方を見てくれた。