ブンジが喉をごろごろさせて、じっと私の側にいてくれるお蔭で、ほんわかととても安らぐ。

 ブンジの丸みを帯びた体の曲線、ぷにゅぷにゅした肉球、柔らかな毛、それらが愛おしくてたまらない。

 そこに安心しきって無防備な姿を惜しみもなく見せられると、嫌なこともすぐに吹っ飛んでいく。

「ブンちゃん、ありがとうね。ブンちゃんはいつも聞き上手だよね。そしてハンサムときている。ブンちゃん、大好き」

 ベッドで寝転がっていた私は起き上がり、ブンジを力強くぎゅっと抱きしめた。

 ブンジは抱っこされるのが好きで、大人しくされるがままになっている。

 柔らかく、温かなブンジを抱きしめてると、気持ちがいい。

 またこれで明日も頑張れるぞ。

 そんな気分になってくるから、ブンジ様様だった。

 もうすぐ中間テストもあるし、勉強するのが億劫だ。

 高校生になって初めてのテストでもあるし、やっぱり頑張りたいと思うところもある。

 そうなると、今から詰め込むのが大変な作業に思える。

 全てをなんなく簡単に頭に入れるには、毎日の積み重ねが物をいうのだろうけど、本気になるときはある程度切羽詰らないとエンジンが中々かからないのがやっかいだった。

 そういえば、近江君は休み時間も惜しみ、毎日本を開いて机に向かっている。

 不意に彼のことを思い出し、いつも一人で居る近江君が妙に気になってくる。