最後は思い出に浸っていても仕方がないと、目の前の事に集中しやすくなるから、その二人の絡みは充分私を助けてくれていた。

 近江君も今頃は必死で勉強していることだろう。

 必ず考えがそこへ辿りつくので、私も影響されるように常にやる気が出てくるから不思議だった。

 少し少しのコツコツした歩みでも、その将来を決める大きな力となる。

 私も怠るわけにはいかなかった。


 この時期、部活も板についてきて、自分がサッカー部のマネージャーであることに誇りが持てていた。

 沢山の男子生徒の中に入って色んな事をやっているうち、内気な部分も消えて、積極になってきたように思う。

 実際まだまだ抜けてる事もあるが、そこは愛嬌として寛大に見てもらってる。

 それよりも、サッカーがとても好きになって、試合を見てるとものすごく興奮する。

 生き生きと真剣にボールを追いかけている姿がみんなかっこよくて、そんな部員の世話をしてる事に優越感を感じてしまうほどだった。

 そういう時が一番隙があって、恥かしい痛いことをしてしまいそうで、私は気をつけようとぐっと抑制する。

 でもみんなからマネージャー、マネージャーと頼られると嬉しく、色々こなしているうちに私も生意気になったかもしれない。

 実際、希莉と柚実からは、ふてぶてしくなったや、貫禄がついたなんて言われる。