ブンジは喉をゴロゴロ言わせ、そして寝床を定めるように私のお腹の上で香り箱座りをした。

 私をじっと見つめ、目を細めている。

「ブンちゃん。高校生活上手くいきそうだよ。すごくワクワクするんだ」

 優しくブンジの体を撫ぜてやると、ブンジの喉のゴロゴロの音が一層強くなったような気がした。

 それに比例するように私も益々嬉しくなるし、幸せな気分になった。

 こうやっていつもブンジと会話する。

 物心ついたころからブンジは私の側にいてくれた。

 心は通じ合ってると思っているが、弟曰く、それは寒いから暖をとってるだけやら、餌が欲しいからとか、と言う。

 あまり弟の側にいかないので、ただの負け惜しみとして受け取っている。

 弟は小さい頃にブンジを追いかけまくってたので、ブンジはいつも威嚇して逃げてたから、心開くわけがない。

 弟にとったら嫉妬もあるのだろう。

 弟もそれなりにブンジが好きということだった。

「ブンちゃんは男前だね。ブンちゃんみたいなかっこいい彼氏できるかな」

 ブンジは返事しなかったけど、じっとしては暫く私の側から離れなかった。

 ブンジは目を閉じ、居心地よさそうにしている。
 こうなると、私は動けなくなる。

 このままブンジのために暫くソファーで横になっていると、そのうちウトウトしてしまった。

 全てが満たされた幸せな一時だった。

 そして、この日最後の締めとして、スマートフォンには希莉からのメッセージが届いてた。